「新築・中古」と「建売・注文住宅」の違い
「新築と中古住宅の違いは?」
「建売と注文住宅の違いは?」
この記事では、住宅購入を検討している方向けに住宅の種類について解説しています。
最後まで読んで頂ければ、新築・中古住宅や建売・注文住宅についての疑問や不明点が理解できるようになります。
住宅の種類に興味がある方や購入を検討している方は続きをお読みください。
新築と中古住宅の違いと特徴
ここではそもそも新築住宅・中古住宅とは?といった部分を紹介します。
新築住宅
新築住宅とは言葉の通り、新しく建った住宅を指します。
「新築住宅」とは、新たに建設された「住宅」であって、建設工事の完了から1年以内で、かつ、人が住んだことのないものを言います。
引用:国土交通省
- 完成から1年以内
- 人が住んだことがない
上記の2つがポイント。
中古住宅
中古住宅とは、新築住宅以外のすべての販売物件を指します。
「中古住宅」とは、申込日において竣工 ※1から2年を超えている住宅または既に人が住んだことがある住宅※2をいいます。
引用:フラット35
中古住宅と一言で表現しても、築数年のものから築数十年のものまで幅広いことが特徴です。
また、近年では中古のマンションや一戸建てをリフォームしたリノベーション物件も人気を高めています。
新築と中古住宅のメリットとデメリット
実際、家の購入を考えるとき、新築を選ぶべきなのか中古を選ぶべきなのか、悩む方も多いのではないでしょうか。
ここではそれぞれのメリットとデメリットを紹介します。
新築住宅
新築住宅のメリット・デメリットを見ていきましょう。
新築住宅のメリット
- 最新の住宅設備が使える
- 耐震・断熱・気密性などの心配が少ない
- 税金面で優遇される
- 住宅ローンが通りやすい
- 光熱費や修繕費を抑えられる
毎年機能性の高い設備が出てくるため、中古住宅では備えつけられていない設備が使える点はメリットだと言えます。
ほかには固定資産税や住宅控除など、税金面でも優遇を受けられるといった特徴があります。
良質な住宅の建設を促進し、居住水準の向上及び良質な住宅ストックの形成を図るため、新築住宅にかかる固定資産税を3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額します。
引用:国土交通省
新築住宅の床面積要件を40 ㎡以上に緩和する措置(合計所得金額1,000 万円以下の年分に限る。)について、建築確認の期限を令和6年12 月31 日(改正前:令和5年12 月31日)に延長する。
引用:国土交通省
優遇を受けられるかどうかの条件や期限には、細かいルールがあるため購入前に確認が必要ですが、数年の間固定資産税が半分の額で済むなどのメリットがあります。
節電効果を兼ねた最新の設備や、まっさらな状態で購入できることから、光熱費が抑えられたり修繕のリスクが少なかったりする点もメリットです。
新築住宅のデメリット
- 購入価格が高い
- 受け渡しまでに時間を要する
- 実際に住むイメージがしにくい
- 近隣住民がわからない
新築住宅は、モデルルームや広告費用・メーカーの利益など、土地+物件価格以外に費用がかかっていることをご存知でしょうか?
そのため中古住宅を購入するよりも、購入価格は高め。
また、購入から施工完了・引き渡しまでに日数がかかるため、購入したらすぐに移り住めるわけではない点も注意が必要です。
ほかには、実際の住宅が完成していないうちに購入すると、家の内装や広さがイメージしづらく、実際に住んでみると思ったより狭い・利便性が悪いなどの問題が生じるケースも。
最後に、近隣住民がどんな人なのかわからないという点もデメリットです。
新築住宅の場合、まとまって数軒、新しく建つことが多くありますが、近所の住宅をどんな人が買ったのかは住んでみるまでわかりません。
ただ中古の場合でも、近隣住民がもともと知人でない限りは、人となりまではわからないのでそこは大きな問題ではないかもしれませんね。
中古住宅
次に中古住宅のメリットとデメリットを見ていきましょう。
中古住宅のメリット
- 購入価格が抑えられる
- 資産価値が下がりにくい
- 内観や外観を目で見られる
- 立地を選べる
中古住宅を購入する場合、新築と比較して価格が安いことは一番のメリットです。
新築マンションは、「買った瞬間に2割値下がりする」からです。
引用:ダイヤモンドオンライン
ほかにも、すでにある物件を購入するため、外観や内観を目で見て確かめることも可能で、実際に住むイメージが付きやすいです。
また、中古住宅のほうが新築住宅よりも流通量が多いため、住む立地を選びやすいというメリットもあります。
中古住宅のデメリット
- 修繕費がかかるかさむ可能性がある
- 耐震性能などに欠陥がある可能性がある
- ローンの審査が通らないケースがある
住宅を購入して数年で給湯器やトイレなどの設備が故障して修理が必要になったというケースは少なくありません。
数年おきに修理が必要な箇所が出てきて、結果的に修繕費がかさんでしまう可能性もあります。
ほかにも築年数の長い住宅であった場合、旧耐震基準の建物で耐震性能に心配があることも。
また中古住宅は資産価値がわかりにくく、ローンの審査が通りにくいケースもあります。
建売住宅と注文住宅の違いと特徴
ここでは、建売住宅・注文住宅とは何か?という部分を紹介します。
建売住宅
建売住宅とは、完成した家と土地がセットになって販売されているものです。
- 土地はあらかじめ決まっている
- 完成した家を購入する
上記のような特徴があります。
建築予定の物件が建売住宅として販売されていることもあり、場合によっては建築の内容の要望を聞いてもらえることもあるようです。
実際に私の妹は建売住宅を購入していますが、購入したのが建築前だったため資材や設備の要望を聞き入れてもらえたそうです。
注文住宅
注文住宅とは購入した土地に、いちから家を設計・建築して住む家のことです。
- 自分で、またはハウスメーカーに依頼して土地を探す
- 間取りや資材、デザインをいちから決められる
上記のような特徴があるのが、注文住宅です。
どんな間取りにしたい、このキッチンを導入したい、など、細かい部分まで理想の家に近づけられる仕組みとなっています。
建売住宅と注文住宅のメリットとデメリット
建売住宅・注文住宅それぞれのメリットとデメリットを紹介します。
家を購入するとき重要な部分になるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
建売住宅
建売住宅のメリットとデメリットを見ていきましょう。
建売住宅のメリット
- 注文住宅と比べると費用が安い
- 予算に合わせて探しやすい
- 完成した家を実際に見られる
- 入居までの期間が早い
建売住宅は、注文住宅と比べると安い費用で購入できます。
建売住宅の場合は、物件と土地をセットにした金額が明確なので、どのくらいの金額がかかるか想像しやすいです。
そのため予算に合わせて物件購入を検討できると言えます。
ほかにも、すでに完成している建売住宅であれば、賃貸のときと同様に内覧が可能です。
実際に住む家の外観や内観をあらかじめ見ておけることはメリットです。。
いつまでに入居したいと決まった時期がある場合も、建売住宅のほうが早く入居できるというメリットがあります。
子どもが小学校に入学するタイミングに近ければ、転校なしで済むよう4月までに入居したいなど家庭の事情によっては細かい要望もあるでしょう。
建売住宅のデメリット
- 同じ間取りの住宅が多い
- すでに人が出入りしているケースがある
- 土地の状態とチェックできない
建売住宅のデメリットとして、注文住宅のように設計ができるわけではないため、同じ間取りの住宅が多数あるということが挙げられます。
ほかにも自分たちが購入を決める前に、ほかに検討している人が出入りしているケースも。
また、すでに完成した家を購入するため、土地の地盤や建築過程を見ることは難しいです。
耐震性能や欠陥工事に不安が生じることがあります。
注文住宅
注文住宅のメリット・デメリットを見ていきましょう。
注文住宅のメリット
- 理想の家に住める
- こだわらない部分とこだわる部分を分けられる
- 土地を選べる
- 地盤や基礎工事の段階を見られる
注文住宅のメリットはなんと言っても、理想の家に住めることです。
いちから設計をおこなうので、ほかにはない自分だけの理想の家を手に入れられ、住み始めてからの愛着もほかとは比べものになりません。
完成した家に対して「玄関はもう少し狭くていいです。」などと注文することはできません。
こだわる部分とそうでない部分を徹底して分け、好みの家を作れます。
ほかにも注文住宅は土地探しから始まるため、自分で住みたい土地を選べます。
注文住宅のデメリット
- 入居までに時間がかかる
- 打ち合わせなどで時間を取られる
- 人気の土地は建売会社に取られていることがある
- 予算をオーバーする可能性がある
入居時期にこだわりがない方なら問題ないでしょうが、年単位の時間がかかってしまう点はデメリットとなる可能性も。
大工さんや住宅メーカーの方と打ち合わせする内容も多岐に渡り、家づくりに時間を割かなければならないことも多くなります。
また、土地から選べるのが注文住宅の特徴ですが、人気の土地は市場に出回る前に建売会社に購入されていることがほとんどです。
実際に土地を選ぼうと思うと、選べるほど数がなかったということもあります。
注文住宅は設計に携われるため、好きな設備や資材を選び、理想の間取りを実現できます。
しかし、反対にいくらでもこだわりを持てるため、予算よりも大幅に費用がかかってしまった…という可能性も高くなります。
建売住宅と比較すると、予算がわかりにくいです。
住宅購入で見るべきポイントと後悔しない選び方
住宅の購入は人生でもっとも大きな買い物になる方が多いでしょう。
住むエリアの選定から始まり、新築なのか中古なのか、はたまた新築ならば、建売なのか注文住宅なのか、選択の連続です。
住宅購入でもっとも重要なことは、「絶対に譲れない条件」を決めておくことです。
- 予算
- 住むエリア
- 家の広さ
- 交通の利便性
- 使う資材へのこだわり
- 入居のタイミング
実際にさまざまな家を見たあとでは、欲が出てしまうものです。
本来予算を重視していたはずが、大幅に上回りのちのちの支払いで苦しむ可能性もあります。
事前に優先順位を付けておくことで、のちのちの後悔が少なく済みます。
「新築・中古」と「建売・注文住宅」の違いまとめ
新築住宅・中古住宅、建売住宅・注文住宅、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介してきました。
費用
新築注文住宅>新築建売住宅>中古住宅
建築の自由度
新築注文住宅>新築建売住宅>中古住宅
土地の利便性
新築建売住宅・中古住宅>新築注文住宅
ほかにも税金や資産価値、ローンの通りやすさなど、それぞれ違いがあり良さがあります。
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自分の人生は何歳まで働き、何歳までにローンを完済したいのか、老後生活しやすい立地なのか、人生計画もしっかりと練っておかなければなりません。
住宅購入前には、家族で十分に話し合い検討を進めていきましょう。