「今家を買う人が信じられない5年後10年後には大変なことになる」は本当?専門家が徹底解説!
「今家を買う人が信じられない5年後10年後には大変なことになる」という話題を見かけたけど、その理由とは?
この記事では、持ち家を持つことのデメリットを考えながら、家を持つ幸せについて解説している記事です。
最後まで読んで頂ければ、持ち家を持つ人の考え方が理解できるようになります。
住宅を持つことに心配事がある方は続きをお読みください。
「今家を買う人が信じられない5年後10年後には大変なことになる」と言う意見と理由
住宅の購入を検討していると「今家を買う人が信じられない5年後10年後には大変なことになる」という忠告を耳にします。
これは、主に賃貸で暮らす人からの意見です。
賃貸派が「マイホームを持つ=将来が不安」と言うのには次のような理由があります。
- 長期間住宅ローンを組んで返済していけるのか
- 金利が上がって利息が高くなるかもしれない
- 税制の優遇措置がいつまで受けられるのか不透明
- 物件に価値がなくなることが不安
- 簡単に他所へ移り住むことができない
月々の家賃を支払えばよい賃貸指向の方にとっては、持ち家は嗜好品。
リスクを負ってまで購入する必要はないと考えているのです。
「今家を買う人が信じられない」が言う問題点(リスク)とは?
では、今家を買うことで起きるリスクについて、具体例を5つご紹介します。
将来のローン返済が厳しくなる
まず、将来的に生活費が家計を圧迫し、ローンを返済していく力がなくなってしまうことが問題視されています。
5年後10年後といわず、以下の経済問題は今現在も私達の生活にふりかかっているのです。
- 円安の影響で輸入商品が高額化
- 調達コスト増による水道光熱費の値上がり
- ウクライナ侵攻などで小麦や石油の供給が不安定
- 物価安のデフレから、物価高のインフレへ経済が急変化
- サラリーマンの給料の上がり幅は緩やか
- AIやコスト削減のためのDX化で仕事の需要が減少
- 終身雇用を掲げる企業も減少
生活費の負担増や、安定した働き方ができないといった恐れから、老後も安心して暮らせるかが不透明な世の中。
金利が上昇している
2024年3月、マイナス金利が17年ぶりに解除され、低金利時代が終わりを迎えました。
つまり住宅購入にローンを組んでいる場合、利息の負担が大きくなるということです。
【固定金利】
- 金利は一定額
- 35年間同じ金利となる「フラット35」などの制度がある
【変動金利】
- 銀行が半年に一度定めた金利に応じて利息が決まる
- 固定金利よりも低い金利で融資を受けられることがある
収入が安定し支払能力を認められると、低利息の変動金利で住宅ローンを組めます。
例えば金利が0.1%上昇すると、支払総額は何十万円という単位で増加します。
そして支払額が増えた場合も、結局利息が高くなっただけで元金は減りません。
この状況が5年後、10年後も続いていくことが予想されるので、今住宅を買うべきではないと主張する人がいるのです。
減税措置が終わることへの不安
住宅を購入する際、さまざまな税の優遇措置が用意されています。
- 住宅ローン控除:残高に応じて所得税と住民税を控除
- 固定資産税の減税:基準を満たす住宅の購入で3〜5年間適用
- 印紙税、登録免許税、不動産取得税も軽減税率が適用される
- 住宅取得のために相続した財産は非課税となっている
これらは国の施策のため、突然終了する可能性があります。
特に住宅ローン控除がいつまで継続するかは重要。
サラリーマンの場合は会社で年末調整をするだけで、10年間は支払った分の所得税や住民税が還付されるからです(※住宅取得初年度のみ確定申告が必要)。
還付金を生活費にしたり、ローンの返済にあてることができます。
しかし、頼りの住宅ローン控除も2022年に制度が改正されました。
優遇措置が終わる不安を抱えながら、ローンを返済し続ける必要があります。
住宅と土地の資産価値が落ちていく
持ち家は巨大な資産ですが、消耗品でもあります。
経年劣化するものなので、住んだ瞬間から価値が落ちていくのです。
リフォームやリノベーションをすれば良いですが、まとまった資金が必要になります。
特にマンションの場合は集合住宅なので、自分の家を修繕しても建物自体の魅力が低ければ、物件としての価値はつきません。
さらに土地についてはこんな理由で価値が下がることも。
- 住宅地が過疎化して人気がなくなった
- 小学校や中学校が合併によって廃校になった
- 離れたところに大型ショッピングモールができて地元の商店街が廃れた
- 近隣に嫌煙される施設(刑務所や墓場など)ができた
コロナ過によって、リモートワークといった遠隔勤務の導入が進んでおり、駅に近いことがストロングポイントと言えないのが令和時代の不動産価値の特徴となっています。
少子高齢化の影響で過疎化が進み、空き家が年々増えているのです。
数十年後に売却を考えていても、少ない需要を奪い合う厳しい市場になるといえます。
気軽に住居を変えられない
ライフスタイルは思わぬタイミングで変わることもあるもの。
数年後に住居を変える必要性が出たとき、持ち家があると引っ越すのは大変です。
例えば、地震や津波といった天災、火災などの人災が起きたとします。
住宅の損傷具合によっては、新たに建設するより直す方がお金がかかる場合があるのです。
転勤や子どもの学校に合わせての引越しなど、将来的に違う土地へ移動する際も、持ち家だとフットワークが重くなります。
住宅を売却できれば、その資金をローン残高の返済にあてることも可能。
しかし買い手がいないと、新しい住居と古い住居の両方を管理するリスクがあるのです。
家を購入し5年後10年後に困らないための考えと準備
持ち家を購入して5年後10年後に困らないためには、先を見越した考え方が必要です。
4つのポイントを見ながら準備を進めましょう。
住宅ローンの返済シュミレーションをする
融資を受ける前に、無理なく返済できるかというシュミレーションは必須です。
「何から手を付ければいいかわからない!」という方は、ざっと支払総額の計算をしてみましょう。
- 月々のローン額✕返済年数
- 購入時に支払う手付金や頭金
- 購入時にかかる諸費用
- 不動産屋に支払う仲介手数料
- 加入する火災保険料や団体信用保険料
- 固定資産税などの税金
- 引越費用
- 想定できる修繕費
これらを考えた上で、住宅ローンの借入額を決定することをオススメします。
注意点としては、上限いっぱいまでローンを組んではいけません。
素敵な家を何軒も見学するうちに、金銭感覚は麻痺していきます。
不動産会社からのオススメ物件に心が動いてしまいそうな方は、ローンの返済シミュレーションをしてから内覧に行くのがよいです。
例えば手取りが600万円/年の方は、その2割である120万円が年間の返済額。
つまり、月々10万円を支払う住宅ローンを組むと良いということです。
返済する年数も、基本的には安定した収入が確保できる定年退職前で設定しましょう。
近年は再雇用やシルバー人材の活用も目立つようになりましたが、正社員雇用と比較すると収入は明らかにダウンするからです。
自力で先々のことを計算するのが難しいという方は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談すると安心できます。
住宅にかかるお金の見通しをもつ
持ち家は消耗品であり、定期的なメンテナンスが必要になります。
外装の修理や内装の補修にいくらかかるのか、日頃から情報収集をしておきましょう。
設備が壊れてからだと慌ててしまい、連絡が取れたところに依頼しがちです。
ポストに入った広告の業者は割高な場合も。
複数の目星をつけておけば、不測の事態が起きても余裕を持って対応できます。
中古物件の購入を考えているなら、特に購入前の下見が大切。
築年数や設備の使用年数を確認し、すぐ壊れてしまう恐れがあるものは取り替え可能か不動産屋と交渉しておくと、トラブルを防ぐことができるのです。
長く住むための条件を家族でまとめる
住宅購入後に後悔しないためには、理想の家の条件を家族でまとめるのがオススメ。
- 希望する間取りや設備
- 子どもの将来の進学先
- 大きな乗り換え駅までのアクセス
- 駐車場や駐輪場の有無
- スーパーや病院など生活に必要な場所の立地
- ごみ捨てや騒音など周辺のマナー
- 街頭の位置や深夜の治安
これらを確認しておくと、長年安心して暮らせる物件か見極めることができます。
こだわりを持った持ち家には愛着がわくので、何十年も快適に過ごせる居場所になります。
リスクのある土地を避ける
自然災害が発生するのは仕方ないことですが、住む場所は選ぶことができます。
例えば津波を避けるため内陸地や高台を選ぶなど、リスクの少ない物件を購入しましょう。
耐震性や耐水性、防火性をもつ住宅を購入すれば、より安心材料となります。
さらに住宅購入の際は火災保険に入りますが、補償範囲も会社によるので要チェックです。
例えばあいおいニッセイ同和損保では、火災の他に多様な補償プランが用意されています。
- 車両に当て逃げされて建物の外壁が破損した
- 空き巣に金品や電化製品を盗まれた
- 家具の移動で窓ガラスに激突し、ガラスを割ってしまった
- 子どもが遊んでいてテレビにぶつかり画面が壊れてしまった
保険をかけておくことで、土地だけでなく生活のリスクにも対応できるのです。
今家を買うメリット
5年後10年後の様子を見てからではなく、今すぐに家を買うメリットを4つご紹介します。
資金面で有利な情報もありますので、ぜひチェックしてみてください。
住宅という資産を持てる
賃貸物件は、家賃を支払い続けても最終的に何も残りません。
持ち家は住宅ローンが完済すれば、住宅という資産が手元に残ります。
長期間のローンを払い続けることがリスクと思われがちですが、支払えなければ住む場所がなくなるのは、賃貸も同じこと。
持ち家の場合はまとまった資金が必要ですが、安心感を買っているとも言えます。
さらに持ち家の一部を開放して店舗経営をしたり、料理や手芸など趣味を教える講座を開業すると、住宅ローンにかかる利息は経費として計上できます。
住宅を購入することで仕事の自由度があがることも、メリットの1つです。
一番値段が低い時に家を購入できる
物価が上昇する昨今で考えると、今日が一番価格の安い日という可能性があります。
だからこそ、総支払額がぐんぐん値上がりする前に購入することが大切なのです。
例えば東京オリンピックの開催前は、資材や人手不足により住宅価格が高騰しました。
現在では円高の影響や人件費の増加によって、住宅が値上がりしています。
さらに消費税の増税も注意しなければならないポイント。
新築建売や新築注文住宅は、建物部分に多額の消費税がかかるのです。
- 2013年(消費税5%):5000万円の住宅の消費税は250万円
- 2023年(消費税10%):5000万円の住宅の消費税は500万円
たった10年で消費税は倍になっています。
増税が決定すると駆け込み需要もあり、よい物件から次々に売れていくので、そうなる前に家を購入するのはメリットと言えます。
住宅によって支援金がもらえる制度がある
現在実施されていたり、実施予定となっている国からの支援策はコチラ。
- 子育てエコホーム支援事業:対象世帯が要件を満たす住宅を買うと最大100万支給
- 給湯省エネ2024事業:効率の良い給湯器を導入した家に最大20万を支給
- ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業:要件を満たす高性能住宅へ補助金
ただし、あくまで一時的なものであり、予算に達し次第終了する可能性があります。
また要件を満たす住宅という制約もかかるので、条件の項目は事前によく確認しましょう。
住宅購入に迷っているなら、支援金の活用はオススメです。
長期間のローンを組みやすい
国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査によると、住宅を初めて購入する人は30代が最も多いという結果でした。
一方で、晩年に購入した方が頭金も貯められるからいいのでは?という意見もあります。
しかし、子育て世代は子どもが大きくなるにつれて出費が増えます。
まとまった資金を頭金のために貯蓄できる家庭は一握りです。
いつかマイホームが欲しいと思い続けるよりは、頭金なしで購入しコツコツ返済していく方が、結果的に総支払額を抑えられます。
また、住宅購入時に団体信用保険に加入するには、持病がなく健康であることも条件。
5年後10年後と病気のリスクが増す年齢になる前が、マイホームを持つチャンスなのです。
「今家を買う人が信じられない」のまとめ
「今家を買う人が信じられない5年後10年後には大変なことになる」という意見について、理由やリスク、住宅を購入するときの準備、今住宅を買うメリットをご紹介しました。
今マイホームを購入することは、決して悪いタイミングではありません。
賃貸派の人が「今家を買うなんて信じられない」と将来を不安に思うのは、物価や金利が上昇している部分に注目しているためです。
値上がりが予想できるなら、今のうちに住宅を取得しておくのは理にかなっています。
手元に残る資産が欲しい人は、さまざまな補助金や税制の優遇措置が終了する前に、一刻も早く住宅ローン返済を開始したいと考えるのです。
結局、住宅を買うベストなタイミングは、購入したい人の状況次第。
判断するために「今家を買うこと」のデメリットとメリットを知っておくことが重要です。
マイホームを選ぶときは焦らず、かといって後回しにして理想の家を逃すことのないように、情報収集や準備を進めていきましょう。