不動産購入の基本手順と注意点
「不動産を購入する流れってどんな?」
この記事では、不動産購入を検討している方向けに準備と流れについて解説しています。
最後まで読んで頂ければ、不動産購入の流れの疑問や不明点が理解できるようになります。
不動産の購入を検討している方は続きをお読みください。
不動産を購入する流れ
不動産を購入を検討する多くの方は、不動産の購入が初めてです。
いざ不動産を購入を検討し始めると、何から始めて何が必要なのかわからないケースも多数あります。
不動産という大きな買い物を前に、一通りの流れを理解しておきましょう。
不動産を購入するには大きく分けて12ステップを踏む必要があります。
それぞれ内容を見ていきましょう。
資金計画
家族で住宅の購入を検討し始めたら、最初に資金計画をおこないます。
資金計画を立てるなかで考えておくべきことは3つ。
- 自己資金はどのくらい準備できるのか
- 何歳までにローンを支払い終えるか
- 月々の支払いに充てられる金額はどのくらいか
生きているとさまざまなイレギュラーが発生します。
イレギュラーが生じても支払っていけるよう、上記3点をそれぞれ少な目に見積もっておいてください。
情報収集
おおよその資金計画を立てたら、次に情報収集をしていきます。
いま売っている不動産情報を収集する方法は主に2つ。
- インターネット
- 広告やチラシ
第一候補である住みたいエリアの住宅の相場を確認します。
大体の相場がわかったら、次の項目を検討していきしょう。
- 新築or中古
- 戸建てorマンション
- 購入する住宅のエリア
- 間取り
- 入居時期
家族で意向を合わせたら、いよいよ物件探しが始まります。
問い合わせ・見学
購入を検討したいと思える条件の物件が見つかったら、広告主に問い合わせをします。
問い合わせた物件が中古であれば、実際に内覧が可能です。
新築物件の場合は、モデルルームに足を運びます。
物がない状態の物件は広く感じ、実際に物を入れると思ったより狭くなってしまうということはよくあること。
また、入居先で使いたかった家具が入らなかったというケースも考えられます。
あらかじめ持って行きたい大きな家具の寸法を測っておき、現実的に物を置き、生活ができるか検討しましょう。
また、見学の時間帯は日中が多いため、夜のトラブルには気が付けないことが多くあります。
絞り込み
いくつかの物件の内覧が済めば、次に絞り込みをおこないます。
よほどのことがない限り、すんなりと理想の物件に出会えることはありません。
予算に制限のない注文住宅なら別ですが、基本的には妥協点を決めていく必要があります。
家の内装や外装だけでなく、付近の利便性も考慮することが重要です。
具体的には下記の条件を確認してください。
- 公共交通機関の種類
- 駅・バス停までの距離
- スーパー・コンビニまでの距離
- 小学校や中学校への通学距離や通学路
- 騒音や臭い
- 夜間の街灯
すべての条件を総合的に判断して購入したいと思える物件を決めてください。
申し込み
購入したい物件が確定したら、申し込みをおこないます。
購入したい物件が決まっているにもかかわらず、悠長にしていると先に購入されてしまった…ということも十分あり得るため、意向が決まり次第早めに申し込みをしてください。
申込証拠金は2~10万円程度で、売買が決まるとその金額は頭金に充てられます。
万が一売買契約にいたらなかった場合は、全額返金されることが一般的です。
また中古住宅を購入する場合は、買付証明書を提出することが一般的。
住宅ローンの事前審査
住宅の申し込みをおこなったタイミングで、住宅ローンの事前審査をおこなっておくことをおすすめします。
いざ気に入った物件の購入が決まっても、住宅ローンの審査が通らなければ元も子もありません。
住宅ローンの事前審査では「年齢」「年収」「勤続年数」「物件価格」などが見られます。
必要書類については後半で説明しているので、ご確認ください。
重要事項説明を受ける
物件の購入が決まると、不動産会社の宅地建物取引士から重要事項説明を受けることが法律で義務付けられています。
宅地建物取引業者は、取引の相手方に対し、契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、
取引に係る重要事項(※) について、書面を交付して説明させなければならない。
引用:国土交通省
重要事項説明は不動産購入において、重要なポイントです。
売買契約を結ぶ
重要事項説明と売買契約は同日におこなわれるケースもあります。
売買契約が締結すると、取り消しはできません。
場合によっては違約金がかかったり、手付金を失ったりする可能性も。
不動産購入において極めて重要なシーンになるので、なるべく家族そろって立ち会うようにしてください。
売買契約時に必要な書類については後半で説明します。
住宅ローンの申し込み
売買契約を締結したあとは、本格的に住宅ローンの申し込みをおこないます。
事前審査のときよりも、借入額を多く申請した場合には審査に通りにくくなることがあります。
万が一売買契約締結後に住宅ローンの審査が通らなかったときには、売買契約のローン特約が適用され契約解除となります。
住宅ローンの申し込みに必要な書類については後半で説明しています。
事前内覧
新築の戸建てやマンションなど、完成前の不動産を購入した場合のみ、事前内覧会が実施されることがあります。
中古物件の場合は事前の見学が該当し、再度内覧会がおこなわれることはありません。
内覧では引き渡し前の最終チェックをおこないます。
- 傷・汚れ
- ドアや窓の開閉動作
- 外装のひび割れや傷
問題があった場合には、引き渡しまでに対処してもらうよう交渉します。
残金決済・引き渡し
引き渡し前に、事前に支払っている手付金を引いた残りの購入価格を全額支払います。
住宅ローンを組んだ金融機関から直接、不動産会社の口座に振り込んでもらうことも可能です。
残金決済が完了し、物件の鍵を受けとり引き渡し完了です。
入居
すべての手続きが完了したら、不動産の所有権はあなたのものです。
住んでいる住宅の引き払いをおこない、いつでも引っ越しが可能です。
ライフラインを整え、新生活を開始しましょう。
不動産を購入する際の注意点
不動産の購入は人生でもっとも大きな買い物になることも多いです。
購入前に注意点を知っておくことが重要です。
それぞれ注意するポイントを紹介します。
災害リスク
2024年現在、日本では多くの自然災害が起こっています。
- 土砂災害警戒区域でないか
- 耐震強度に問題はないか
- 避難場所はどこにあるのか
上記3点は事前に調べておきましょう。
資金計画
不動産の購入にかかる費用は、物件価格だけではありません。
- 仲介手数料
- 税金
- 頭金
- 保険料
- 各種手数料
それぞれどのくらいの資金が必要になるのか綿密にチェックしておいてください。
近年では「頭金なしで住宅ローンを組める」などといった宣伝が見られることがあります。
自己資金として用意できる金額があまりに足りない場合には、予算を検討しなおしたり購入時期を変更したりすることも重要です。
契約内容
なかなか初めての不動産購入で専門知識を理解しきることは困難です。
最低限、次の項目だけは確認しておくことをおすすめします。
- 重要事項説明書の契約解除項目
- 瑕疵担保責任に関する保険は適用か
万が一ローンの審査が通らなかった場合や、不動産に欠陥があった場合、後悔しないためにチェックしておいてください。
不動産を購入に必要な書類と準備
不動産の購入には大きく分けて12ステップあることを紹介してきました。
大まかな流れは理解できたものの、準備物などがわからず不安だという意見もあるのではないか。
実際に必要な書類や準備を知らずに、直前になって焦ってしまった・準備が間に合わなかったというケースもあります。
ここでは、それぞれのシーンで必要な書類や準備を紹介します。
順を追って確認していきましょう。
住宅申し込み時
住宅申し込みのときに必要な物は以下の通り。
- 申込証拠金
- 買付証明書
買付証明書に記入する内容は以下。
- 購入希望金額
- 物件情報(建物名称・構造・面積・家屋番号など)
- 手付金・残代金
- 融資依頼先
- ローン特約
- 引き渡し希望日
物件情報やローンを組む金融機関などは事前に確認しておくとスムーズです。
住宅ローンの事前審査時
物件の契約前に住宅ローンの審査をおこなっておく場合には、下記の3点が必要です。
- 本人確認書類
- 源泉徴収
- 物件情報のわかる資料
事前審査は必須ではありませんが、契約が進んでから審査が通らなかった場合、時間と労力の無駄が生じるため受けておくことをおすすめします。
売買契約時
購入したい物件が決まり、重要事項説明を終え、売買契約を結ぶ際にはより多くの準備が必要です。
書類や準備がそろわないと契約に進めないため、要チェックしておきたいポイントです。
- 本人確認書類
- 手付金
- 仲介手数料
- 印紙
- 実印
- 印鑑証明
重要事項説明を受ける前に、あらかじめ準備物を確認しておくことをおすすめします。
ATMでは一度の引き出し可能額に制限があったり、銀行の営業時間は支店によって異なったりするため、前日までには準備しておくと安心です。
これまでの人生で印鑑証明が必要な場面に遭遇したことのない方もいるかと存じます。
印鑑証明は市役所や町役場で作成できるため、不動産購入を検討し始めたら作成しておいてください。
住宅ローンの申し込み時
いよいよ不動産の売買契約を締結し、住宅ローンの申し込みをする際に必要なものを紹介します。
- 本人確認書類
- 実印
- 印鑑証明書
- 収入がわかる書類
- 健康保険証
- 売買契約書、または購入物件の情報がわかる書類
- キャッシュカード
- 通帳
- 収入印紙
- 住民票
- ローン申込書
基本的には売買契約までに準備したものと同じ内容になるため、準備に手間取ることはありません。
万が一銀行の口座を開設していない・通帳やキャッシュカードを紛失しているということがあれば早めに準備しておいてください。
実際に不動産を購入された方で、長年使っていなかった口座を使おうとすると休眠口座になっておりすぐに口座が使えなかったケースがありました。
ほかにも、ローンを組む契約者が結婚などで姓が変わっている場合。
あらかじめ銀行で登録を変更しなおしておく必要があります。
あらたに口座を開設する場合も、銀行によっては指定の支店でなければ開設ができないケースもあります。
銀行の営業時間ギリギリで行動すると、当日中に手続きが完了しない恐れも。
できれば不動産を購入を検討し始めた段階で準備しておきたいものです。
不動産購入の基本手順まとめ
不動産購入の流れは12ステップ。
- 資金計画
- 情報収集
- 問い合わせ・見学
- 絞り込み
- 申し込み
- 住宅ローンの事前審査
- 重要事項説明を受ける
- 売買契約を結ぶ
- 住宅ローンの申し込み
- 事前内覧
- 残金決済・引き渡し
- 入居
あらかじめ注意点や準備物を理解しておくと、スムーズに契約が進みます。
後悔のない不動産購入をおこなえるよう、十分な準備をしておくことをおすすめします。